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Keyboardio Atreus 実機レビュー

追記: 遊舎工房 にてキーキャップとスイッチなしの DIY キットの取り扱いが始まりました(製品版には PCB とスイッチプレートの間に静音フォームが入っています) Keyboardio Atreus DIY kityushakobo.jp

Keyboardio は 2020 年 3 月 17 日に新しいエルゴノミクスキーボード Keyboardio Atreus の Kickstarter プロジェクトをスタートしました。 Atreus は Phil Hagelberg 氏が設計、販売しているキーボードで Keyboardio がしっかりとした製品にしたものとなります。

レビュー用の Keyboardio Atreus をいただいたのであまりキーボードについて詳しくないですが実際の使用感を書いていきます。

Keyboardio について

2015 年にスプリットタイプのエルゴノミクスキーボード Keyboardio Model 01 の Kickstarter プロジェクトを開始し目標金額に達成。 その後、製品として販売しているメーカーです。

shop.keyboard.io

そもそも Atreus とは

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atreus.technomancy.us

  • Phil Hagelberg 氏によって設計、販売されているキーボード(キット、組み立て済み等ある)
  • キー数は 42(ちゃんと 42 キーある)
  • キー列が上下にずれている Column staggered
  • 中央で物理キー配置が分かれている
  • MDF 材やアクリルを重ねたサンドイッチケース
  • ALPS スイッチ対応の PCB

Atreus には様々なフォークがあり、42 キーよりもキー数が多いものや少ないものも存在している。

Keyboardio Atreus

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今回の Keyboardio Atreus と Atreus の違いはざっくり解説するとこんな感じ。

  • キー数は 2 キー増えて 44 キー
  • スイッチプレートはアルマイト処理されたアルミプレート
  • ケースは樹脂製、フレームレスになっていて全体的にひと回り小さくなっている
  • Kailh 製の hot-swappable socket が採用されていて、はんだづけなしでスイッチを交換できる
  • ファームウェアKaleidoscope
  • マウスでぽちぽちするとキーマップを設定できるツール Chrysalis も用意されている
  • オリジナルと比較すると安い(Kickstarter 価格 99 ドル、販売予定価格 150 ドル)
  • オプションのケースと木製パームレスト
  • Type-C 採用

外観

※評価版の Atreus なので Kickstarter 版とは多少異なるので注意。

シンプルに黒で統一されたデザイン。キー数の少なさと独特な形状がいい雰囲気を出している。 f:id:nillpo:20200406211337j:plain f:id:nillpo:20200406211355j:plain

フレームレスケースですっきりとした見た目。 キーキャップは全て同じ高さの XDA プロファイルを採用。 f:id:nillpo:20200406212323j:plain

全体的に丸みを帯びているので指に当たる感触は優しい感じ。(レビュー用は ABS 製キーキャップだが PBT 製のものに変更される) f:id:nillpo:20200406212510j:plain

キーボード自体の重量はだいたい 300g f:id:nillpo:20200406211426j:plain

HHKB と比較しても小さい。 f:id:nillpo:20200406211442j:plain

Kailh hot-swappable socket を採用しているので、はんだづけなしでスイッチを交換できる。 f:id:nillpo:20200406211503j:plain スイッチの爪とプレートが噛むのでこのようなスイッチプラーがあると外しやすい。 f:id:nillpo:20200406211520j:plain

実際の使用感

実際キーボードに手を置いた時はこんな感じになる。 手が大きいほうではないが無理せずに指が届く位置にキーが配置されている。 ハの字に物理キー配列が並んでいるので手首を曲げることなく置け、中央で少し隙間をあけて左右に分かれているので窮屈にならずタイピングできる。 キーボードの高さも低いのでパームレストなしでも快適。 f:id:nillpo:20200406211537j:plain 小指側はこんな感じ。 f:id:nillpo:20200406211555j:plain

実際にタイピングするとこんな感じになる。


Kickstarter ではいくつかスイッチの選択肢があるが今回のスイッチはカチカチ音が鳴るクリッキータイプの Kailh Box White f:id:nillpo:20170929160420j:plain スイッチを押したときに明確なフィードバックがある。タイピングしていてとても楽しいのですがカチカチカチカチ…は怒られる…。(スイッチ音が気になる方はかなり静かな静音スイッチもあるのでそちらを使うと幸せになれるかも)

アルミ製スイッチプレートを採用しているので程よい硬さの打鍵感でタイピングしていて気持ちがいい。(打鍵感はキーキャップの材質によって変わるので PBT 製キーキャップになるとまた違ってくるはず)

ちょっと気になった点はスイッチが純正 Cherry MX とは上下逆さについていることだ。交換用キーキャップの Cherry プロファイルのものを使った場合、一番下まで押し込んだ時にスイッチとキーキャップがぶつかってしまうことがある。 詳細はこちら

キー数が少ないものは自作キーボードでは割と多いが製品でこのキー数の少なさはなかなか見かけない。どうやってこのキー数でタイピングするのかというとキーボードのファームウェアにはレイヤーというものがありレイヤーを切り替えてタイピングすることで物理的に少ないキー数でも入力可能になる。

参考として私が使っているキーマップはこれ。(今回は Chrysalis を使わず CLI でキーマップを設定した)

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親指周辺に Shift などの修飾キーを配置し、複数のレイヤーと同じキーを素早く 2 回連続で押すと別なキーを入力する機能や長押しで別なキーとして動作する機能を使っている。(たとえば 1 回押したら ( で 2 回押したら () を入力など)

普通のキーボードだと少し遠い位置にあるキーが親指の位置にあるのでホームポジションからあまり手を大きく動かさずに入力できている気がする。キーマップは設定してから 1 週間ほどで慣れました。

まとめ

2 週間ほど毎日 Keyboardio Atreus をクッションケースに入れて持ち歩いて使っていますが本体が軽量、コンパクトでバッグに入れて持ち運びやすい。 PC 接続時も Type-C なので向きを気にせず挿せるのも地味に快適。

ここのところ、はんだ付けが必要な自作キーボードばかりだったのでキーボードを箱から出したらスイッチ、キーキャップもついていて PC に接続してすぐ使える点もよかった。 完成品のしっかりとした製品ではあるがファームウェアやキースイッチをカスタム可能な点は自分で考え試行錯誤できる自作キーボード的な自由度や楽しさがあるのも魅力です。

キー数の少なさに関しては人によって合う合わないはありますが使いこなせると日々のタイピングが楽しくなるキーボードに仕上がっていると感じました。

Keyboardio の Jesse Vincent 氏とは 2019 年の tokyomk6 でキーボードへの熱い思いが聞けたので今回の Keyboardio Atreus を無事出荷できること祈っています。(今回の目標金額は 7 分で達成したらしいです。)

4月18日までなので興味ある方はお早めに!!! https://www.kickstarter.com/projects/keyboardio/atreuswww.kickstarter.com

Kickstarterは終わってしまいましたがサイトの方でプレオーダーが始まっています!!!

Keyboardio Atreusshop.keyboard.io

余談

Keyboardio Atreus のペーパークラフトもあるのでサイズ感が気になる方は印刷して手を置いてみるといいかもです。

Jesse Vincent 氏によるケースのデモンストレーション。

この動画つきのリプライがきた時にもう買うしかないのでは…となりました💸

記事は、 Keyboardio Atreus で書きました。

追記(2020/04/08) 目標金額の 1000% まで到達したみたいです。 f:id:nillpo:20200414110500j:plain

nillpo.hatenablog.com